在留資格とは?|ビザとの違い、就労の可否などを紹介
この記事でわかること
☑ 在留資格とはどのようなものなのかがわかる
☑ ビザとはどのようなものなのかがわかる
☑ 在留資格にはどのような種類があるのかがわかる
☑ 働くことのできる資格と、そうでない資格がわかる
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「期限まで3か月を切ったので、ビザの更新がしたい。」
「職場で外国人を受け入れることになったので、ビザを取得したい。」
と、当たり前のように使うこの“ビザ”という言葉。
世間一般でも広く使われていますし、専門家もそれにならって“便宜上”使用します。このサイトでもそうですね。
しかし、この場合における“ビザ”という言葉、実は正式名称ではないということをご存知でしたか?
正式には「在留資格」といいます。
どうして多くの人々が、これを「ビザ」と呼んでおり、この用語が一般的な認識となっているのでしょうか?なぜ一部の書類や手続きでは、ビザと在留資格が混同されて使用されているのでしょうか?
混同される原因として考えられるのは、ビザ・在留資格の種類や名称が複雑であり、一般の人々が区別するのが難しいことが考えられます。そして、専門家も便宜上「ビザ」という名称を使用しているという状況が、更に混同を生みやすくしているとも考えられます。
その違いは何なのか?そして、「在留資格」についてわかりやすく解説しますので、少しでも興味を持たれた方は、ぜひチェックしてみてください。
ビザと在留資格の違いについて
それでは、ビザと在留資格それぞれについて解説していきます。
在留資格とは?
在留資格とは、「外国人が日本に滞在するために必要な許可」のことを指します。
もし在留資格という許可制度がなかったら?ということを考えてみましょう。
日本に来た外国人に、「職業の制限もないし、いつまででも好きなだけ滞在していいですよ。」というわけです。
もちろん投票もできるし総理大臣にだってなれる。
どうですか?
私には、いつの日か日本が国ごと乗っ取られる未来が見えます・・・。
日本語は無くなり、日本人に不利な法改正がなされ、不要な日本人は日本から追い出され、日本人が住む「日本村」なんてのができ、原住民「日本人」はそこでしか住めなくなる。まるでどこかの国の原住民のように・・・。
とんでもないですよね。私は、こんな未来は絶対に嫌です。
日本という国家を守るためには、やはり外国人の出入国を適正に管理しなければならない。
それも、すべての外国人を。
そのためにあるのが、「在留資格」です。
1人の外国人につき、一つの在留資格とそれに対応する在留期間がきちんと定められています(一在留一在留資格の原則)。
「勉強するために日本に来たいの?じゃあ『留学』の在留資格を申請してね。」
「日本で会社を経営したいの?じゃあ『経営・管理』の在留資格を申請してね。」
そして申請が許可されたら、定められた資格と期間の範囲内で日本に在留することができる。
このようにして、日本に滞在する外国人をひとり一人適正に管理しているわけです。
繰り返しになりますが、「外国人が日本に滞在するために必要な許可」それが在留資格です。
それでは、「ビザ」とは何でしょうか?
ビザとは?
ビザを一言でいうと、
「外国人が日本に入国するための推薦書」のことです。日本語では「査証(さしょう)」といいます。
海外の日本大使館・日本領事館が、日本に行きたい外国人について入国にふさわしいか人物かどうかを審査し、その審査の結果問題がないと判断された者に発給されます。
「あれ?海外旅行に行くときにビザを申請したこと、一度もないけど?」
そうです。これが日本の凄いところの一つで、国籍によっては、海外に渡航するときは必ずビザ(査証)を発給してもらうのが普通です。
しかし、日本のパスポートは「世界最強」と言われており、多くの国でビザの申請が免除されています。
イギリスのコンサルティング会社、ヘンリー・アンド・パートナーズが毎年発表している、ビザなしでアクセスできる目的地の数に基づいてランク付けされた「The Henley Passport Index(Global Passport Ranking)」で、日本はなんと世界1位。194か国(2024年)の国と地域に、ビザなしで渡航できる国が私たちが住む「日本」なのです。
第1位である要因をざっくり簡潔に3つ挙げると、
① 日本のイメージが良い
② お金をたくさん使ってくれる
③ 不法移民になる可能性が低い
ビザ(査証)を申請したことが一度もないという方は、これまで渡航した国がビザの申請を免除されていたというわけです。
このことは、ビザの申請が当たり前の外国人の方からよく羨ましがられます。
話が逸れてしまいましたが、ここまで読み進めていただくと「ビザ(査証)」と「在留資格」が違うものだということが理解できたのではないでしょうか?
まとめ
☑ 「ビザ(査証)」は入国前にもらう、日本に入国するための推薦状。
☑ 「在留資格」は入国後、日本に滞在するための資格。
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「在留資格」にはいろいろな種類がある
次に、在留資格はいくつかに分類することができますので解説します。
在留資格は、「就労可能資格」と「就労不能資格」に分けることができます。
就労可能資格とは、「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動(就労活動)を行うことが入管法上認められる在留資格等」のことです。そして、就労不能資格とは、「資格外活動許可を得ない限り、就労活動を行うことが入管法上認められない在留資格」のことです。
要するに、日本で「収入を得ながら働いてもよい資格」と「特別な許可を得ないと働いたらダメな資格」に分けられているということです。
さらに、就労可能資格は、「業務限定就労可能資格」と「無制限就労可能資格」に分けることができます。
業務限定就労可能資格とは、持っている在留資格に属する就労活動に限って就労可能であり、その範囲に含まれない活動を報酬を得て行うことは認められない資格のことです。つまり、「技能」の在留資格をもってインド料理店で調理業務をするものが、収入を得る目的で「介護」の仕事はできませんよ、ということです。
そして、無制限就労可能資格とは、その名の通り就労の範囲に制限がない資格のことです。
それではどのような在留資格があるのか、見ていきましょう。
在留資格一覧
就労が認められる在留資格(業務限定就労可能資格)
在留資格 | 該当例 |
---|---|
外交 | 外国政府の大使、公使等及びその家族 |
公用 | 外国政府等の公務に従事する者及びその家族 |
教授 | 大学教授等 |
芸術 | 作曲家、画家、作家等 |
宗教 | 外国の宗教団体から派遣される宣教師等 |
報道 | 外国の報道機関の記者、カメラマン等 |
高度専門職 | ポイント制による高度人材 |
経営・管理 | 企業等の経営者、管理者等 |
法律・会計業務 | 弁護士、公認会計士等 |
医療 | 医師、歯科医師、看護師等 |
研究 | 政府関係機関や企業等の研究者等 |
教育 | 高等学校、中学校等の語学教師等 |
技術・人文知識・国際業務 | 機械工学等の技術者等、通訳、デザイナー、語学講師等 |
企業内転勤 | 外国の事務所からの転勤者 |
介護 | 介護福祉士 |
興行 | 俳優、歌手、プロスポーツ選手等 |
技能 | 外国料理の調理師、スポーツ指導者等 |
特定技能 | 特定産業分野※1の各業務従事者 |
技能実習 | 技能実習生 |
出入国在留管理庁「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」をもとに作成
- 介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業(令和4年4月26日閣議決定) ↩︎
このように、業種はその範囲内でしかできませんが、日本で報酬を得ながら働くことのできる在留資格は19種類あります。
次に、無制限就労可能資格を見ていきましょう。
身分・地位に基づく在留資格(無制限就労可能資格)
在留資格 | 該当例 |
---|---|
永住者 | 永住許可を受けた者 |
日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者・実子・特別養子 |
永住者の配偶者等 | 永住者・特別永住者の配偶者、我が国で出生し引き続き在留している実子 |
定住者 | 日経3世、外国人配偶者の連れ子等 |
この4つは、業種の制限なしに働くことのできる在留資格です。
次に、在留資格「特定活動」についてです。
これは、他の在留資格のどれにも当てはまらない活動をする外国人に対し、法務大臣が個々にその活動を指定することになっている在留資格です。
就労の可否は指定される活動によるもの
在留資格 | 該当例 |
---|---|
特定活動 | 外交官等の家事使用人、ワーキングホリデー等 |
そして最後に、就労が認められていない在留資格を紹介します。
就労が認められない在留資格
在留資格 | 該当例 |
---|---|
文化活動 | 日本文化の研究者等 |
短期滞在 | 観光客、会議参加者等 |
留学 | 大学、専門学校、日本語学校等の学生 |
研修 | 研修生 |
家族滞在 | 就労資格等で在留する外国人の配偶者、子 |
ただし、「資格外活動許可」を受けた場合は、一定の範囲内で就労が認められます。
まとめ
いかがでしたか?
「在留資格」と「ビザ」の違いや、日本にはどのような在留資格があるのかがお分かりいただけたかと思います。
これだけ多くの種類の在留資格がありますので、「申請すべき在留資格がわからない」とか、「転職するが、今持っている在留資格を変更する必要があるのか?」等のご相談をいただくことが多々あります。
行政書士うえすぎ事務所では、このようなご相談に対しても、お客様ひとり一人のニーズに寄り添い、確かな解決策を提供することを使命としております。
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