永住許可を受けると、在留資格「永住者」として在留期間の更新をせずに日本で暮らせるようになります。ただし、申請の準備には時間がかかり、審査も数か月以上かかります。この記事では、永住許可申請の流れとスケジュールの目安を、出入国在留管理庁の公式情報をもとに解説します。
永住許可の要件そのものについては【永住許可】要件をわかりやすく解説をご覧ください。
永住許可申請の全体の流れ
永住許可申請は、おおまかに次の流れで進みます。
- 要件の確認と事前準備(税金・年金・健康保険の納付状況の確認)
- 必要書類の収集・作成
- 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署へ申請
- 審査(追加資料の提出を求められることがあります)
- 結果の通知
- 許可の場合:手数料を納付し、新しい在留カードを受け取る
| 段階 | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 事前準備 | 要件・納付状況の確認、未納の解消 | 数週間〜(状況により年単位) |
| 書類収集 | 役所・税務署・年金事務所などで証明書を取得 | 1〜2か月程度 |
| 審査 | 出入国在留管理局での審査 | 標準処理期間は4か月〜6か月 |
| 許可後 | 手数料納付・在留カード受領 | 通知後すみやかに |
ステップ1:事前準備(課税・納税・年金の確認)
永住許可の審査では、税金や社会保険料を期限内にきちんと納めているかが重視されます。申請の前に、次の点を確認しておきましょう。
- 住民税:就労系の在留資格や「定住者」の方は直近5年分、日本人・永住者の配偶者の方は直近3年分の課税(非課税)証明書と納税証明書を提出します。
- 国税:源泉所得税、申告所得税、消費税、相続税、贈与税について、未納がないことを示す納税証明書(その3)を提出します。
- 公的年金・公的医療保険:過去2年間(日本人・永住者の実子などは1年間)の納付状況を提出します。
特に注意したいのは、普通徴収(自分で納付する方法)で住民税や国民年金・国民健康保険料を納めている方です。最終的に納めていても、納付期限を過ぎていた期間があると、審査で不利に扱われることがあります。通帳の写しや領収証書で期限内に納めたことを示す必要があるため、領収証書は捨てずに保管しておきましょう。
確認期間(5年・3年・2年など)は申請人の区分によって異なります。詳しくは永住許可申請の必要書類で区分ごとに整理しています。
また、在留期間や出国日数、日本での在留歴も確認しておきます。2026年10月に改定されたガイドラインでは、申請前10年以内に、合理的な理由なく1回6か月以上または通算2年6か月以上の出国がある場合は、原則として不利に扱われる旨が示されています。
ステップ2:書類の収集・作成
必要書類は、申請人の在留資格によって異なります。出入国在留管理庁では次の区分ごとに案内しています。
- 日本人・永住者・特別永住者の配偶者または実子
- 「定住者」の方
- 就労系の在留資格・「家族滞在」の方
- 高度人材外国人(高度専門職ポイント70点以上・80点以上)
- 特別高度人材
主な書類は、永住許可申請書、写真、理由書(区分により必要)、住民票(世帯全員)、在職証明書などの職業を証明する資料、所得・納税の証明書、年金・医療保険の納付記録、資産を証明する資料、身元保証書、了解書などです。
日本で発行される証明書は発行日から3か月以内のものを提出する必要があります。取得の順番を考えずに集め始めると、申請前に期限が切れてしまうことがあるので注意しましょう。また、「ねんきん定期便」の全期間分を交付申請する場合は約2か月かかると案内されています。
ステップ3:申請先と申請方法
申請先
申請先は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。受付時間は原則として平日の9時〜12時、13時〜16時です(手続によって異なる場合があります)。
東京都の多摩地域(羽村市、青梅市、福生市、立川市、八王子市など)にお住まいの方は、国立市にある東京出入国在留管理局 立川出張所(東京都国立市北3-31-2 立川法務総合庁舎)が身近な窓口です。窓口の取扱業務や混雑状況は変わることがあるため、申請前に東京出入国在留管理局のホームページで確認してください。
申請できる人
- 申請人本人
- 法定代理人
- 申請等取次の届出をした行政書士・弁護士、承認を受けた所属機関の職員など
- 申請人が16歳未満の場合や病気などで出頭できない場合の親族など(仕事が忙しいという理由は認められません)
オンライン申請について
在留期間更新などの多くの手続はオンライン申請ができますが、出入国在留管理庁の「オンラインでの申請手続に関するQ&A」では、在留申請オンラインシステムでは永住許可申請はできないと案内されています(2026年10月時点)。永住許可申請は窓口での申請となります。
ステップ4:審査期間
永住許可申請の標準処理期間は4か月〜6か月とされています。ただし、これはあくまで目安です。申請の時期や申請先の混雑状況、追加資料の提出の有無などによっては、これより長くかかることもあります。
審査中に、出入国在留管理局から追加資料の提出を求められることがあります。期限内に提出しないと審査が進まなかったり、不利な結果になったりするおそれがあるので、通知が届いたらすぐに対応しましょう。
審査中も在留期間の更新は別に必要です
永住許可申請をしても、今の在留期間が延長されるわけではありません。審査中に在留期限が来る場合は、別途、在留期間更新許可申請をする必要があります。「永住を申請しているから大丈夫」と思って更新を忘れると、在留期限を過ぎてしまうおそれがあります。
| よくある誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 永住申請中は更新しなくてよい | 在留期限が来るなら更新申請が必要 |
| 申請すれば数か月で必ず結果が出る | 標準処理期間は目安で、長くなることもある |
| 申請後は何もしなくてよい | 追加資料の求めには速やかに対応する |
ステップ5:許可後の手続き
許可されると、出入国在留管理局から結果の通知が届きます。指示に従って窓口に出向き、手数料を納付して、在留資格「永住者」の新しい在留カードを受け取ります。
- 手数料:許可のときに収入印紙で納付します。2026年10月1日以降に受け付けた申請は20万円です(一定の場合の軽減措置があります)。2026年9月30日までに受け付けた申請は、従前の手数料が適用されます。詳しくは在留手続の手数料改定のコラムをご覧ください。
- 在留カード:永住者になっても、在留カードには有効期間があります。16歳以上の方は、有効期間の満了日の3か月前から満了日までに在留カードの有効期間更新申請が必要です。
- 再入国許可:永住者になっても、出国して日本に戻るときは再入国許可(またはみなし再入国許可)が必要です。詳しくは再入国許可の解説をご覧ください。
2027年4月からの新ガイドラインと改正法
出入国在留管理庁は、2026年10月1日に「永住許可に関するガイドライン」を改定しました。主な点は次のとおりです。
- 改定後の基準は、原則として2027年4月1日以降の申請から適用されます。
- ただし、独立生計要件(世帯年収の水準など)と公共の負担に関する部分は、2026年4月1日以降に申請され、改定日(2026年10月1日)に審査中の案件にも適用されます。
- 新しい基準では、世帯人数に応じた年収水準、将来の年金受給見込み、日本語能力(「日本語教育の参照枠」B1相当)、「生活・就労ガイドブック」の内容の理解、学齢期の子の就学なども考慮されます。
- 在留期間「3年」で申請できる扱いは、2027年3月31日までの申請に限られ、2027年4月1日以降は条件が限定されます。
また、2024年(令和6年)の入管法改正により、2027年4月1日から「法律に定める義務の遵守、公租公課の支払」が永住許可の要件として法律に明記されます。出入国在留管理庁は、これは従来のガイドラインの内容を法律上明確にしたもので、要件を厳しくするものではないと説明しています。あわせて、故意に公租公課を支払わない場合などに永住許可が取り消される制度も設けられています。
申請を考えている方は、2027年3月31日までに申請するか、新しい基準で申請するかを含めて、早めに計画を立てることが大切です。ただし、申請を急ぐあまり書類が不十分なまま申請するのは避けましょう。
不許可になった場合
不許可になっても、今の在留資格がすぐに失われるわけではありません。在留期限までは今の在留資格で在留でき、引き続き在留するには在留期間更新許可申請が必要です。
不許可の場合は、通知の内容や窓口での確認を通じて、どの点が問題だったのかを把握することが大切です。そのうえで、納付状況の改善や在留年数の積み重ねなど、問題を解消してから再申請を検討しましょう。同じ状況のまま再申請しても、結果が変わる可能性は低いと考えられます。
当事務所の料金・ご依頼の流れ
当事務所では、納付状況の確認から書類の収集・作成、申請取次、追加資料への対応まで一貫してサポートしています。
ご相談は行政書士うえすぎ事務所へ
行政書士うえすぎ事務所(東京都羽村市・JR小作駅徒歩4分)では、在留資格の申請について初回60分無料でご相談をお受けしています。来所・お電話・オンライン(全国対応)でご相談いただけます。日本語・英語で対応いたします。
お問い合わせはお電話(042-508-3411)、LINE、お問い合わせフォームからどうぞ。
※この記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。個別の事情により必要な書類や審査のポイントは異なります。最新の情報は出入国在留管理庁「永住許可申請」でご確認ください。
