在留資格「技・人・国」とは?

【その1】在留資格「技・人・国」とは?|概要


☑ 在留資格「技人国」の概要がわかる
☑ 在留資格「技人国」にはどのような職業が該当するのかがわかる


令和5年3月に出入国在留管理庁が発表した統計では、日本に在留する外国人のうち、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもって在留する外国人は31万人と、「永住者」の約86万人、「技能実習」の約32万人に次いで3番目となっています。

当事務所にご依頼いただく就労ビザのほとんどがこの「技術・人文知識・国際業務」です。本日は、この「技術・人文知識・国際業務」の概要について解説していきます。

在留資格「技・人・国」とは?


「技・人・国(ぎじんこく)」と呼ばれるこの在留資格、正確には、「技術(ぎじゅつ)・人文知識(じんぶんちしき)・国際業務(こくさいぎょうむ)」という在留資格のことを指します。いわゆる「就労ビザ」に含まれる在留資格のひとつです。

もともと、「人文知識・国際業務」(=文系分野)と「技術」(=理系分野)の二つに分かれていましたが、外国人を受け入れる企業等のニーズに柔軟に対応するため、平成26年の入管法改正で一つの在留資格に統合されました。

この在留資格は、大学などで文科系や理科系の科目を専攻した方や、または、長年の実務経験を通して修得した一定水準以上の専門技術や知識を有している方でなければ行うことができない業務に従事する方が取得可能な在留資格です。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要


在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要は以下の通りです。

技術・人文知識・国際業務
入管法上の定義
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(在留資格「教授」「芸術」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「企業内転勤」「介護」「興行」における活動を除く)
職業の具体例
コンピューター技師・バイオ・テクノロジー技師等 / 事務職員 / 通訳者 / 翻訳者 / 語学指導者 / 販売業務・海外取引業務等に従事する職員等
許可される在留期間
5年、3年、1年、3か月

それでは次に、それぞれのカテゴリーごとに見ていきましょう。

技術

「技術」カテゴリーに関して、入管法では以下のとおり規定されています。

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務に従事する活動

「理学、工学その他の自然科学の分野」とは、いわゆる理科系の分野のことです。

次のような技術系の専門職に従事する外国人がこのカテゴリーに該当します。

  • 情報工学の技術・知識を必要とするシステムエンジニア、プログラマー等
  • 航空宇宙工学の技術・知識を必要とする航空機の整備
  • 精密機械器具や土木・建設機械等の設計や開発等
人文知識

「人文知識」カテゴリーに関して、入管法では以下のとおり規定されています。

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う法律学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務に従事する活動

「法律学、社会学その他の人文科学の分野」とは、いわゆる文化系の分野のことです。

次のような文科系の専門知識を必要とする業務に従事する外国人がこのカテゴリーに該当します。

  • 経理
  • 金融
  • 総合職
  • 会計
  • コンサルタント
国際業務

「国際業務」カテゴリーに関して、入管法では以下のとおり規定されています。

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動

このカテゴリーも「人文知識」と同様に文化系の活動が該当します。そして、次のような専門的能力を必要とする職業が該当します。

  • 翻訳
  • 通訳
  • 語学の指導
  • 広報
  • 宣伝
  • 海外取引業務
  • デザイン
  • 商品開発等

まとめ


以上が在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要です。どのような職業が該当するのかご理解いただけたかと思います。この在留資格の要件や申請時の注意点に関しては、別の記事で解説していきます。

ご自身が「技人国」に該当するかどうかわからないという方や、内定を出した外国人の就労ビザを申請したいという企業の方は当事務所までお気軽にご相談ください。

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