令和5年の「在留資格取消件数」について

出入国在留管理庁のホームページで、令和5年の「在留資格取消件数」についての資料が公表されました。

令和5年の在留資格取消件数は1,240件であり、令和4年の1,125件と比べると10.2%の増加となったようです。

令和5年の在留資格取消件数について、在留資格別にみると、
・「技能実習」が983件(79.3%)と最も多く、次いで、
・「留学」が183件(14.8%)、
・「技術・人文知識・国際業務」が32件(2.6%)となっています。

国籍・地域別にみると、
・ベトナムが812件(65.5%)と最も多く、次いで、
・中国が220件(17.7%)、
・インドネシアが57件(4.6%)となっています。

取消された理由の具体例は次のとおりです。

・ 在留資格「日本人の配偶者等」を得るため、日本人との婚姻を偽装し、日本人配偶者との婚姻実態があるかのように装う内容虚偽の在留期間更新許可申請書を提出して同許可を受けた。

・ 在留資格「技術・人文知識・国際業務」を得るため、実際の学歴とは異なる学歴を記載した内容虚偽の在留資格変更許可申請書を提出して同許可を受けた。

・ 在留資格「技術・人文知識・国際業務」に係る在留期間更新許可に際し、稼働実態のない雇用先を記載した不実の記載のある在留期間更新許可申請書を提出して同許可を受けた。

・ 在留資格「留学」をもって在留する者が、学校を除籍された後、当該在留資格に応じた活動を行うことなくアルバイトを行って在留していた。

・ 在留資格「技能実習」をもって在留する者が、実習先から失踪し、当該在留資格に応じた活動を行うことなく他の会社で稼働して在留していた。

・ 在留資格「技能実習」をもって在留する者が、実習先から失踪し、当該在留資格に応じた活動を行うことなく3か月以上本邦に在留していた。

・ 在留資格「留学」をもって在留する者が、学校を除籍された後、当該在留資格に応じた活動を行うことなく3か月以上本邦に在留していた。

・ 在留資格「日本人の配偶者等」をもって在留している者が、日本人配偶者と離婚した後も引き続き、6か月以上本邦に在留していた。

・ 在留資格「技術・人文知識・国際業務」の上陸許可を受けた者が、上陸許可を受けた日から90日以内に住居地を届け出なかった。

偽装結婚などの虚偽申請や不法残留、不法滞在はもちろんのこと、入管法に定められた届出義務等を履行しないことも在留資格取消の対象となりますので、何か身分上変更があった場合には、届出が必要なのかどうか確認する必要があります。

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